【少年野球コラム】「しっかり寝る」も練習のうち。小学生のパフォーマンスを支える“睡眠と休養”の考え方┃南小ドリームズ
- hamaliyaro
- 12月1日
- 読了時間: 7分
更新日:12月10日

川崎市多摩区南生田で活動する「南小ドリームズ」です。
「最近、練習をあんなに頑張っているのに、試合でどうも集中力が続かない…」
「最近、成長や体調が気になる…」
「野球肘や野球肩など、ケガをしないか心配…」
お子様の健やかな成長を願う保護者様にとって、こうした悩みは尽きません。
素振りやキャッチボールの「練習量」ばかりに目が行きがちですが、もしお子様がこのような課題を抱えているとしたら、原因の一つとして“睡眠や休養の不足”が指摘されることもあります
「寝る間も惜しんで練習する」というのは、昭和の根性論です。
現代のスポーツ科学において、睡眠は「練習と同じくらい重要なトレーニング」であり、休養は「サボり」ではなく、強くなるために不可欠な「戦略」です。
このコラムでは、なぜ少年野球選手にとって睡眠と休養が不可欠なのか、その科学的な理由と、今日から家庭で実践できる「パフォーマンスを最大化するヒミツ」を解説します。
なぜ少年野球選手にとって「睡眠」が最強のトレーニングなのか?
練習で身につけた技術や体力は、「寝ている間」に作られています。睡眠には、子どもたちを成長させる3つの魔法の時間があります。

1. 「寝る子は育つ」は科学的真実。成長ホルモンの秘密
小学生、特に「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期は、生涯で最も運動神経が発達する大切な時期と言われています。
そして、この時期の身体的な成長(骨の伸長、筋肉の修復・発達)を促すのが「成長ホルモン」だそうです。
睡眠中、特に寝入りばなの深い眠り(いわゆるノンレム睡眠)で成長ホルモンが分泌されやすいと広く紹介されています。
「夜更かしして練習」するより、「しっかり寝て成長ホルモンを分泌」させる方が、はるかに効率よく丈夫な体を作り、成長の土台づくりに役立つ可能性があるとされています。
2. 脳の「整理整頓」と「記憶の定着」
日中の練習でコーチから教わった新しいバッティングフォームや、複雑な連携プレー。
こうした「技術」や「戦術」は、寝ている間に脳内で整理整頓され、初めて「記憶」として定着します。
睡眠不足の状態では、脳は情報整理の作業ができず、せっかく練習した内容が「ザルで水をすくう」ように流れ出てしまいます。
「練習したことが“身につく”」ために、睡眠は絶対に不可欠だと言われています。
3. 心の回復と「やる気」の充電
エラーした悔しさ、三振した時のストレス。
こうした精神的な疲労も、睡眠によってリセットされます。
睡眠が足りないと、脳がストレスに敏感になりやすく、イライラや集中困難につながると指摘されることがあります。
しっかり寝ることで、心の回復力(レジリエンス)が高まり、「明日も野球がんばろう!」という前向きな「やる気」が充電されると言われます。
小学生アスリートに必要な「睡眠時間」と「質」の目安
では、具体的にどれくらい寝れば良いのでしょうか。
ズバリ、何時間寝るべき?
米国立睡眠財団など多くの研究機関は、小学生(6歳~13歳)に必要な睡眠時間を目安として9〜11時間程度がしばしば紹介されています。
特に少年野球のように、体を動かし、頭も使うスポーツをしているお子様は、エネルギーの消費も、脳の疲労も大人以上です。
最低でも9時間は確保することを目標にすと良いようです。
もし夜9時に寝るなら、朝6時起き。夜10時に寝るなら、朝7時起きが目安です。
「時間」だけじゃない。「質」を高めるための避けたいと言われる例
いくら長く寝ても、眠りが浅ければ意味がありません。
以下の行動は、睡眠の質を著しく下げてしまうため、寝る1〜2時間前からは避けた方がいいと言われています。
NG①:スマホ・タブレット・ゲーム (ブルーライトが、眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を妨げます)
NG②:寝る直前の食事やお菓子 (消化活動のために胃腸が動いていると、体が「休息モード」に入れません)
NG③:カフェインの摂取 (緑茶、紅茶、コーラ、エナジードリンクなどにも含まれているので要注意です)
今日からできる!パフォーマンスを最大化する「睡眠ルーティン」
質の高い睡眠は「習慣」で作ることができます。保護者様がお子様のためにできる、簡単な3つの工夫をご紹介します。

「寝る時間」ではなく「起きる時間」を固定する
「早く寝なさい!」と言うのは簡単ですが、なかなか寝付けない日もあります。大切なのは、体内時計を整えること。
休日だからと昼まで寝てしまうと、体内時計がズレて月曜日の朝がつらくなります。できるだけ「毎朝同じ時間に起こす」ことを意識すると、夜も自然と同じ時間に眠くなるサイクルが作れると言われます。
寝る90分前の「入浴」で、最高の眠りを誘う
人は、体の中の温度(深部体温)がグッと下がるタイミングで強い眠気が訪れるようです。
寝る約90分前に湯船に浸かってしっかり体を温めると、ベッドに入る頃にちょうど深部体温が下がり始め、スムーズな入眠をサポートします。
シャワーだけで済ませず、湯船に浸かる習慣が理想と言われます。
「夜の練習」と「食事」のベストバランス
練習で興奮した体は、すぐには眠れません。また、寝る直前に夕食を食べると消化に悪影響だと言われます。
理想は「寝る3時間前までに夕食を終える」ことですが、学習塾などで難しい場合は、「分食」がオススメです。
「消化にやさしい軽食」「脂質の少ない主菜」など家庭で工夫して調整してみるのもいいでしょう。
「休養」はサボりじゃない。積極的な「休み方」
最後に「休養」についてです。
「練習を休むと、ライバルに差をつけられるのでは…」と不安になるかもしれません。
しかし、筋肉は「練習中」ではなく「休んでいる間」に強くなるそうです。
いわゆる『超回復』と呼ばれる考え方が広く紹介されています。
練習で傷ついた筋繊維が、休養と栄養によって修復される際、以前よりも少しだけ太く、強くなる現象だそうです。
練習がない日は、サボっているのではなく、「超回復」という大切なトレーニングをしている日とも言えるかと思います。
家でゴロゴロするだけでなく、軽いストレッチや散歩をしたり(アクティブレスト)、野球とは全く関係のない遊びでリフレッシュしたりすることも、立派な「積極的休養」とも考えられます。
まとめ:睡眠と休養が、子どもたちの「野球が好き」という気持ちを育てる
野球のパフォーマンスは、「練習」×「栄養」×「休養」の掛け算で決まるかもしれません。
どれか一つがゼロなら、成果もゼロになってしまうとも感じます。
「しっかり寝る」「しっかり休む」ことは、ケガを防ぎ、技術を定着させ、身長を伸ばすための「土台」です。
練習の送り迎えや応援だけでなく、「最高の睡眠と休養の環境」を整えてあげることも、保護者にしかできない最高のサポートだと思います。
南小ドリームズでは、こうした科学的な知見も大切にしながら、決して無理をさせず、子どもたちの「ゴールデンエイジ」という二度とない大切な時期の、長期的な成長を第一に考えた指導を心がけています。
【注意】
本記事は、一般的に紹介されている考え方や家庭での工夫例をまとめたもので、医療・栄養の専門アドバイスではありません。体調や成長に不安がある場合は、必ず医師等の専門家にご相談ください。
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