【少年野球コラム】「土日の朝寝坊が恋しい…」正直そう思っていた私が、息子の試合で涙腺崩壊した話。┃南小ドリームズ
- hamaliyaro
- 6 日前
- 読了時間: 6分

川崎市多摩区南生田で活動する少年野球チーム「南小ドリームズ」です。
今回は、チームに在籍するとある保護者(お母さん)に、入団当時の率直な思いや、活動を通じて感じた心の変化について聞かせてもらいました。
「親の負担が心配…」
「土日が潰れるのはちょっと…」
そんなふうに迷っている方にこそ読んでいただきたい、一人の母親のリアルなストーリーです。
「少年野球? うーん、ちょっとハードル高いなぁ…」
もし今、入団を迷っているお母さんがいたら。
あるいは、入団したばかりで「やっぱり大変かも」と感じているお母さんがいたら。
これは、少し前までの私の話です。 正直に告白します。
私は、「土日の朝寝坊」が大好きでした。
平日は仕事と家事でバタバタ。
だからこそ、土曜日の朝くらいは目覚ましをかけずに寝ていたい。
起きたらパジャマのままダラダラして、溜まったドラマを見て、お昼は簡単にパスタでも茹でて済ませたい。
それが、私のささやかな幸せでした。
だから、息子が「野球やりたい」と言い出した時、真っ先に頭をよぎったのは「息子の成長」ではなく、「私の安息の週末が消える…!」という絶望感だったんです(笑)。
「なんで私、こんな早起きしてるんだろう」
いざ入団してみると、やっぱり朝は早い。
夏のお弁当は傷まないか気を使うし、帰ってきたユニフォームは泥だらけ。
「ウタマロ石鹸」でゴシゴシ洗いながら、「ああ、今頃みんな優雅にランチしてるのかなぁ」なんて、ふと虚しくなる瞬間もありました。
「こんなに親が犠牲になる必要、あるのかな?」
そんなモヤモヤを抱えながら迎えた、ある夏の練習試合のことです。

その瞬間、時が止まった
その日、息子は「9番・ライト」で出場していました。
お世辞にも上手とは言えない息子。
いつもならボテボテのゴロを打って終わりです。
でも、その打席は違いました。
2ストライクと追い込まれてからの3球目。
息子が必死にバットに当てたボールは、ショートへの力ないゴロ。
「あ、アウトだな」
私がそう思った瞬間でした。
息子が、ヘルメットを飛ばしながら、今まで見たこともない形相で一塁へ走っていたのです。
「セーフになりたい!」
その一心で、土煙を上げて一塁ベースを駆け抜ける息子。
判定は、間一髪アウト。
その瞬間、息子の肩が震え始めました。
ベンチに戻っても、帽子を目深にかぶって、タオルで顔を覆って泣いている。
あんなに家では「宿題やりなさい!」と言ってもダラダラしている息子が。
ゲームで負けてもヘラヘラしている息子が。
たかが練習試合のアウトひとつで、本気で悔しがって泣いている。
「あ、この子、今、戦ってるんだ」
そう気づいた瞬間、何気なく見ていた私の視界が、一気に滲んでしまいました。
早起きして作ったおにぎりを、みんなと笑顔で頬張る姿。
仲間がヒットを打って、自分のことのように飛び跳ねて喜ぶ姿。
そこには、家では絶対に見せない「一人のアスリートとしての息子の顔」がありました。

「期間限定」の特等席
その日、帰りの車で私は思いました。
土曜日の朝寝坊は、最高に気持ちいい。
それは間違いありません。
でも、「息子が本気で何かに挑み、挫折し、成長する瞬間」を、特等席で見守れる週末は、これからの人生でどれくらいあるんだろう?
中学生になれば、親なんて煙たがられます。
部活を見に行っても「来るなよ」と言われるのがオチでしょう。
こうして「お母さん!見てた!?」と駆け寄ってきてくれる時期。
親が関われる距離感で、一緒に笑ったり泣いたりできる時期。
それは、長い子育て期間の中で、実は「ほんの数年」しかない、期間限定のボーナスタイムなのかもしれません。
泥だらけのユニフォームが、少しだけ愛おしい
もちろん、今でも「ああ、今日は寝ていたい…」と思う日はあります(人間だもの)。
お弁当作りが面倒な日は、コンビニのおにぎりを持たせることだってあります。
でも、グラウンドで泥だらけになって白球を追う息子の姿を見ると、
「まあ、この景色が見られるなら、早起きも悪くないか」
と思えるようになりました。
あの日の私の涙腺崩壊事件以来、 洗面所に投げ出された泥だらけの靴下さえ、少しだけ「勲章」に見えるようになりました。(本当に、少しだけ、ですけどね!笑)

私が今思うこと
南小ドリームズは、決してお母さんに無理を強いるチームではありません。
お弁当に力を入れすぎなくてもいいし、チームの係だって協力し合えばいい。
ただ一つだけお約束できるのは、
「週末の試合や練習をするグラウンドには、朝寝坊よりも価値のある感動が落ちている」
ということです。
もし、かつての私のように「私の時間がなくなる…」と足踏みしているお母さんがいたら。
まずは一度、その景色を覗きに来てもいいかもしれません。
きっと、想像しているよりもずっと、そこには「温かい時間」が流れていますよ。
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